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最後の日本公演は2008年。NYのマディソン・スクエア・ガーデンでは毎月ライブを継続している。恐らく10代のときに一番聴いていたのはビリー・ジョエル。日本での最後のライブからすでに10年。ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンでは毎月の公演が定例化しており、もう日本には来ないかも。(文中敬称略)

Billy Joel In Concert 2017

 

私にとってのビリー・ジョエル

中学時代から大学に入るまで、継続して聴き続けたのがビリー・ジョエルでした。アルバムを出す度に音楽スタイルが変わって飽きなかったという理由も大きいと思います。

 

聴き始めはロックンロール

私のビリー・ジョエル入門は、中学時代に兄貴が買ってきたLPアルバム「グラスハウス(Glass Houses)」でした。予備知識はゼロ。レコード針を落とすと、いきなりガラスが砕け散る音が。それからロック調ながらポップなメロディーラインをもったナンバーの数々・・・一発でビリー・ジョエルの名前がインプットされました。

Billy Joel – You May Be Right (Audio)

 

ストレンジャーからどっぷりハマっていった

続いて兄貴が買ってきたアルバムが「ストレンジャー(The Stranger)」でした。アルバムリリースは「グラスハウス」の2作前ですので、順序が逆です。まずは変則ビリー・ジョエルから入門し、続けて本来の彼のスタイルを聴き、深みにハマっていったのでした。

 

Billy Joel – Just the Way You Are

 

1983年「イノセント・マン」まではリアルタイム

もとは兄貴が買ってきたビリー・ジョエルですが、グラスハウス以降の新譜は真っ先に私が購入して自分のコレクションにしていきました。「ナイロン・カーテン」~「イノセント・マン」と新しいアルバムを出すたびに音楽スタイルが変わって驚くことしきり。しかし、初期のビリー・ジョエルを聴く順番が逆だったことを少し負い目に感じていた私にとっては「ビリー・ジョエルのコンセプトはアルバムによって全く別物だから、聴く順序なんかどうでも良いんだ」とホッとしました。

「イノセント・マン」から「ザ・ブリッジ」まで3年の空白があり、かつ私も20代に入ってどんどん別ジャンルの音楽に興味の範囲が広がっていったころから、ビリー・ジョエルを聴く機会が減りました。新譜も追いかけることが無くなっていったのでした。

 

2006年「In Concert」初めてライブに行く

2006年11月、ビリー・ジョエルは8年ぶりの日本ツアーを行いました。私はこの年の始めに銀行を退職して精神的にも余裕が出てきていたのでしょう。初めてコンサートを聴きに行きました。「ビリー・ジョエルの最後の日本ツアーになるかもしれない」という情報もあったため、「聴き逃すわけにはいかない」という思いも強くありました。

この月にちょうど40歳になった自分。東京ドームの3階席から豆粒のようなビリーを眺めながら曲を聴いていると、10代の頃の想い出がやたらとフラッシュバックされてきて、思わず涙ぐんでいました。

 

マディソン・スクエア・ガーデンで定期コンサート

ビリー・ジョエルは2014年からニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで毎月定期公演を行っています。2018年3月には連続50ヵ月を祝う動画が作られています。そして2018年7月には、通算100回目の公演が行われます。

36回連続公演のときの記事 ↓

ビリー・ジョエル、36回目のNY定期公演を発表 | BARKS
2014年1月から毎月1回NYのマディソン・スクエア・ガーデンでパフォーマンスしているビリー・ジョエルが、12月の公演日程を発表した。定期公演としては36回目となる。◆ビ...

 

マディソン・スクエア・ガーデン公演 50ヵ月連続(2018/3/28)

Billy Joel Announces 50th Consecutive Madison Square Garden Concert

 

マディソン・スクエア・ガーデン公演100回記念(2018/7/18)

 

 

日本で大地震に遭遇したビリー・ジョエル

知る人ぞ知るエピソードですが、ビリー・ジョエルは1995年の阪神淡路大震災で罹災しています。ライブを中止して帰国を勧める声をもある中で、あえて大阪にとどまってコンサートを行うことにより、人々を勇気づけようとしたのでした。

 

ビリー・ジョエルの宿泊先

ビリー・ジョエルの大阪公演は1月17日と18日に予定されていました。しかし17日の早朝に大地震が発生したのです。ビリー・ジョエルの宿泊先はホテルプラザ22階(20階という海外の記事もあります)。ホテルプラザは1999年3月に閉鎖。2018年5月現在その場所は更地となっています。震源域に近い場所かつ老朽化したホテルの上層階ということで、相当に揺れたことが想像されます。

私も当時は大阪の北浜で働いていました。老朽化したビルは壁面が剥げ落ちたりヒビが入ったり、神戸ほどではないにしても相応の被害と混乱がありました。

 

ホテルプラザの位置(1999年3月閉鎖)

 

震災翌日の1月18日にコンサート決行

既に東京前半と福岡の公演を終えて大阪に滞在していたビリー・ジョエル一行は震災に巻き込まれました。当日に予定されていた大阪公演初日はもちろん、ツアー中止から帰国することも一時は真剣に検討されました。しかしビリーはツアーの続行を決意し、17日の公演を19日に振り替えて予定の日本公演を完遂させます。そしてコンサートの収益金の一部は義援金として寄付されたとのことです。

・・・前略・・・そんな状況で決行されたのが翌日18日の大阪城ホールでのライブです。まだ前日の早朝に起きた地震の衝撃があまりに生々しい状況の中、それでも集まってくれたファン(当然ながら来られなかったであろうファンが少なくなく、空席も見受けられました)に向けてビリーが心のこもったコメントを述べています。・・・中略・・・

「震災の被害に対し慎んでお見舞いを申し上げます。この度の地震に際しまして私共ツアー関係者全員が無事でありましたことは不幸中の幸いでございましたが、現在は愛する方々を怪我や事故で失った方々への深い悲しみを感じております。この体験を共に分かち合い関西の被災者に対しお役に立てればと感じております。昨日に予定しておりました公演は延期させていただきましたが、皆さまが私たちに会いに来てくださるなら喜んで公演をさせていただきたく、昨日の公演を明日に振り替えさせていただきました。皆さまを慰めると同時に勇気づけるためにもこのコンサートを有意義な物にしたいと思っています」

こうしたビリーから心のこもったメッセージの後から始まったショウですが、特に冒頭三曲の力の入りようにはひたすら圧倒されてしまいます。

・・・中略・・・オープニングで演奏され、しかもビリーがギターを弾きながら絶叫するハードな「No Man’s Land」の凄まじさたるや、フランクフルトの演奏など足元にも及ばないほど。
それに日本で絶大な人気を誇る「Honesty」がまた心のこもった熱唱に感動させられるであろう素晴らしい演奏です。日本におけるビリーのステイタスを現在まで保ち続けているこの名曲を心からの叫びで歌ってみせたことで、当日集まった観客が感動に打ちのめされたことが想像できるほど。

GIGINJAPANーBilly Joel / Osaka 1995 1st Night / 2CD より引用

 

インタビューで「死を覚悟した」

「私は何回か死に直面する危機を経験してきた。その度に死に対する信じられないようなあきらめを感じた。これが、最後の人生の数秒間だという事実を受け入れる気持ちになれた」

he was trying to sleep in a hotel room in Osaka, Japan, 20 miles from Kobe, when the earthquake struck. The singer, who was not hurt, said mirrors and paintings fell from the walls, a heavy desk flipped over and his bed lurched across the room.

“I’ve had a number of near-death experiences, and what usually happens is this incredible sense of fatalism comes over you,” he told The Associated Press on Wednesday. “You accept the idea that this could be your last second, and almost funny thoughts come into your head.”

Mr. Joel performed to a nearly full house in Osaka the night after the earthquake and said he was donating some proceeds to the relief effort.

The NewYork Times より引用

 

ビリー・ジョエルの日本公演はあるのか?

最後の日本公演は、2008年11月に初来日から30周年を記念して一夜限りの公演が行われています。これに従えば、2018年は40周年となるため何かあっても良い気がしますが、マディソン・スクエア・ガーデンの公演がすでに毎月予定されているため日本公演は難しいでしょうね。

 

ビリー・ジョエルの日本公演(出典:ビリー・ジョエル Wikipedia

1978年 The Stranger Tour 4月23日 中野サンプラザ、4月24日 大阪厚生年金会館
1979年 52nd Street Tour 5月21日・22日 日本武道館
1981年 The Glass Houses Tour 4月15日・16日,17日 日本武道館、4月20日・21日 大阪府立体育会館、4月22日 愛知県体育館、4月24日 京都府立体育館
1984年 From a Piano Man to an Innocent Man Tour 5月21日・22日 日本武道館、5月24日 大阪城ホール、5月26日 福岡国際センター、5月28日 名古屋市国際展示場、5月30日・31日 日本武道館
1987年 The Bridge Tour 6月8日・10日 国立代々木競技場第一体育館、6月12日・13日 大阪城ホール、6月16日・18日・19日 国立代々木競技場第一体育館
1988年 KIRIN DRY GIG’88 7月24日 東京ドーム
1991年 Storm Front Tour 1月2日・3日 東京ドーム、1月6日・7日 大阪城ホール、1月10日 横浜アリーナ、1月12日 名古屋レインボーホール、1月13日 大阪城ホール
1995年 The River Of Dreams Tour 1月9日・11日・12日 日本武道館、1月15日 福岡ドーム、1月18日・19日 大阪城ホール、1月21日 横浜アリーナ、1月23日・24日 日本武道館
1998年 In Concert Face To Face with エルトン・ジョン 3月26日 福岡ドーム、3月28日 大阪ドーム、3月30日,31日 東京ドーム、4月5日 ナゴヤドーム
2006年 In Concert 11月28日,30日 東京ドーム、12月3日 札幌ドーム、12月6日 京セラドーム大阪、12月9日 福岡Yahoo!JAPANドーム、12月12日 ナゴヤドーム
2008年 In Concert 11月18日 東京ドーム※

※初来日から数えて30周年を記念して行なわれた、一夜限りのコンサート。なお、初来日公演初日の中野公演のチケットの半券を持っている人には、本人と直接会えるサプライズ企画も行なわれた。

 

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