LINEで送る
Pocket

オール・ブラック・キャストの異色エンターテインメント映画。大学生の時に初めて観て、今でも最も好きな映画である「ストーミー・ウェザー」。現在はパブリック・ドメイン(=著作権消滅)になっている「ファッツ(太っちょ)・ウォーラー」の演奏シーン。アル・カポネも認めた『道化の仮面をかぶった天才音楽家』です。(文中敬称略)

日本では渋谷「シネマライズ」のみで上映

「最も好きな映画は何か?」と聞かれた場合、なかなか一つに絞るのはむずかしいですが、候補の筆頭に入るのは間違いなくこの「ストーミー・ウェザー(Stormy Weather)」です。

惜しくも2016年1月に閉館した渋谷のミニシアター「シネマライズ」で1988年に初上映されたのを観に行って気に入り、その後1,2年おきに再上映された都度、観に行きました。結局、映画館では3回。日本ではビデオが売っていなかったため、米国からVHSビデオ(後にはDVD)を個人輸入して繰り返し観ていました。それくらい好きです。(2017年から日本でもDVDが発売されています)

まだ(名残惜しそうに)残されているシネマライズのウェブサイト↓

東京渋谷の映画館シネマライズ(閉館)、そのすべての上映作品(1986~2016年)を閲覧できる公式サイトです。

 

オール黒人の豪華キャスト

「ストーミー・ウェザー」は、第2次世界大戦中(1943年)にアメリカの黒人兵の慰問映画を兼ねて作られた映画です。アメリカが舞台でありながら白人がひとりも出てきません。

・・・第2次世界大戦という総力戦に直面したアメリカは兵隊としての黒人を平等に待遇せざるを得なくなっていた。戦時下のハリウッドでは、戦地や基地などの米兵慰問を兼ねた作品が数多く作られていたが、『ストーミー・ウェザー』は、とくに黒人兵へのサービスを目的に作られた数少ない作品としてまことに貴重なものといえよう。

またこれほど黒人の超一流エンタテイナーが作品で顔を合わせたハリウッド映画は同年のMGMが製作した『キャビン・イン・ザ・スカイ』の他には前にもその後にも作られていない

シネマライズ フィルム・アーカイブ より引用

「ストーミー・ウェザー」のチラシ表と詳しい解説が出ています ↓

東京渋谷の映画館シネマライズ(閉館)、そのすべての上映作品(1986~2016年)を閲覧できる公式サイトです。

 

前半の最大の見せ場「ファッツ・ウォーラー」

「ストーミー・ウェザー」はダンスシーンと音楽シーンが次々と展開されますが、前半の最大の見せ場とも言えるのが、この「ファッツ・ウォーラー」のヒット曲「エイント・ミスビヘイブン(Ain’t Misbehavin’)=邦題は『浮気はやめた』 」の演奏シーンです。

ファッツ・ウォーラーの表情豊かな「顔芸」とともに、徐々にバンドや観客が盛り上がっていくあたり(1:25~)は、自分も自然と体が動き出してしまいます。

 

moviesFats Waller – Ain’t Misbehavin’ – Stormy Weather (1943)

 

この映画の公開の年に39歳で亡くなったファッツ・ウォーラー

ファッツ・ウォーラーは1904年5月21日生まれ。本名はトマス・ライト・ウォーラー(Thomas Wright Waller)ですが、Fats(太っちょ)の愛称で親しまれました。

ファッツ・ウォーラー年表(出典:ファッツ・ウォーラー Wikipedia

1929年1月 ウォーラーが音楽を担当し、ルイ・アームストロングが出演したミュージカル『Hot Chocolates』が初演。同年、シングル「Ain’t Misbehavin’」がヒット
1934年 「Honeysuckle Rose」がヒット
1936年 ウォーラーが俳優として出演した映画『バーレスクの王様』公開
1943年 映画『ストーミー・ウェザー』公開
1943年12月 コンサート・ツアーの途中で肺炎に罹り、列車がミズーリ州カンザスシティに到着した頃に車内で急死した

 

別の映画で歌うファッツ・ウォーラー

FATS WALLER The Joint Is Jumpin’ (1937)

 

アル・カポネ一家に拉致されたファッツ・ウォーラー

ファッツ・ウォーラーの当時の実力と人気を物語るエピソードがあります。

1926年1月17日は、かの有名なギャング「アル・カポネ」の27歳の誕生日。ジャズ好きのカポネ親分の誕生日パーティーの「サプライズゲスト」として演奏させるため、アル・カポネの取り巻きがファッツ・ウォーラーを脅して拉致してしまったのです。

そして3日3晩にわたって演奏し続け、ギャラとチップをたんまりもらって無事に解放されたとか。※

※【出典】アル・カポネのジャズ好きとファッツ・ウォーラー拉致事件が書かれた記事 ↓

 

ちなみに0:50あたりに登場するのが「タップの神様」こと「ビル(ボージャングル)ロビンソン」です。彼のパフォーマンスについてはまた改めて。

ビル(ボージャングル)ロビンソン

Bill “Bojangles” Robinson

 

この記事を読んだ方は他にこんな記事を読んでいます。

 

LINEで送る
Pocket