元ビートルズのジョン・レノンのソロ作品に、イントロが「鐘の音」から始まる2つの曲があります。それぞれ全く異なった鐘の音色と意味合いを持たせたもので、どちらも印象深い名曲となっています。(文中敬称略)
鐘の音から始まるジョン・レノンの2つの曲
”ジョン・レノン/John Lennon” が射殺された1980年12月の直前にリリースされてヒットした ”スターティング・オーバー/(Just Like) Starting Over” は、曲の冒頭に鳴らされる3度の鐘の音が印象的です。
実は、この スターティング・オーバーから10年さかのぼった1970年に、同様に冒頭で鐘が鳴らされる曲がありました。“マザー/Mother” という曲です。
ただし同じ「鐘」でも、この「マザー」で聞く鐘の音は、とても重苦しく、不安を呼び起こすような不気味な音色です。
放送禁止にもなった、衝撃的な歌詞、歌唱
私がジョン・レノンの曲を聴き始めた初期の頃にこの「マザー」を耳にしたときには、陰気な鐘の音とともに後半のジョン・レノンの「絶叫」にたいへん衝撃を受けました。
アメリカでは「狂気じみている」との理由から放送禁止処分となったというエピソードも「さもありなん」と納得できたものでした。
両親の愛に飢えた”ジョン・レノン”の幼少時の原体験
ジョン・レノンは、幼児の時に父親が蒸発。母親は別の男性と生活を始めたため、ジョン母方の伯母さんに預けられます。
5歳のときには父親が戻ってきてジョンを連れ出し
↓
母親と親権争い
↓
ジョンは母親に付いた
↓
しかし母親はまたジョンを伯母に預けてしまう
そんなジョン・レノンの幼少時の心の傷に対しセラピーを受けている時期に生まれた曲とのことです。
ジョン・レノンの幼少時の思い出を歌ったその他の曲
ちなみにジョン・レノンの子供時代に遊んだ場所の思い出を歌った曲には、”ビートルズ/The Beatles” の ”ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー/Strawberry Fields Forever” がありますね。
ジョン・レノンが幼少期に暮らした家の近くにあった “Strawberry Field” という孤児院の庭園で遊んだ体験をモチーフとしています。
実際の体験をモチーフとした曲には、何か不思議と聴き手の心を打つものが多いです。