「まずは担当者と話を」とお願いしても、窓口となる若手を飛ばして上席と直接コンタクトを取ろうとする金融機関がなくなりません。彼らの「実践で学ぶ機会」を奪わないで欲しいのです。それを面倒臭がるのはフェアじゃありません。(文中敬称略)
担当者を飛ばしてキーマンと話をしたがる金融機関
会社の業績や資金繰りが厳しい時期には、融資(調達・返済)に関してハイスピードと高度な駆け引きが必要です。そのため金融機関との折衝は主に私が直接行ってきました。
そしてある程度の余裕が出てきたステージにおいては、金融機関との交渉窓口は担当者へシフトしたわけです。
ところがその旨を伝えても、担当者をすっ飛ばして私と直接に話をしようとする金融機関がなくなりません。
私も金融機関側の立場にいたことがあるため「キーマンと直接やりとりをした方が早い」という意向は分かります。
若手の担当者に実践で鍛える場を与えたい
しかし企業としては、経験の浅い若い担当者に「実践で学ぶ機会」を与えたいのです。
慣れないうちは要領を得ないことやまごつくことが多々あると思います。時には失態を演ずることがあるかもしれません。
若い担当者には、そこで自覚が芽生えて自発的に勉強し、実際のビジネスの場で学習することを期待しているのです。
だから(面倒くさいかもしれないけれど)担当者と込み入ったビジネスの話をして欲しいのです。
新人の「教育係」をお願いしてきた銀行もあった
過去に、ある金融機関の役職者からはっきり言われたことがあります。
「若い担当者をつけますので、奥野さん、鍛えてやってください」
実際に長い期間、1年目や2年目の新人さんが代々の担当となっていたことがありました。
要請を受けたので、面倒くさいけど、スルーするほうが楽だけど、マナーや言葉遣い含めて色々と小言を言いましたよ。
同じことを金融機関側に求めてもバチは当たらないと思うのですよね。
というか、「それはNG」と言われたらフェアじゃありませんよ。