自ら行う「出力=身体運動=行動」が脳の活動を活発にする・・・最近読んだ本『脳には妙なクセがある』で紹介されている「ネズミのヒゲ実験」がやたらと説得力を持ちます。(文中敬称略)
池谷裕二著『脳には妙なクセがある』
最近読んでいる面白い本『能には妙なクセがある』・・・脳研究者の池谷裕二(いけがやゆうじ)氏の著書。
脳には妙なクセがある (扶桑社BOOKS)
ちなみに、この本を手に取るきっかけとなったは、インターネットで目にした著者と糸井重里の対談記事でした。
ほぼ日刊イトイ新聞-脳の気持ちになって考えてみてください。 〜「やる気」と「脳」の話を、池谷裕二さんと。〜
その興味を持った部分を簡潔に紹介しましょう。
「身体がトリガー」
脳には入力と出力があり、それそれを「感覚」と「運動」と言い換えています。
- 入力:身体感覚
- 出力:身体運動
そして「出力=行動」こそが重要だと断言しています。
「やる気」も同様です。やる気が出たからやるというより、やり始めるとやる気が出るというケースが多くあります。
池谷 裕二. 脳には妙なクセがある (扶桑社BOOKS) (Kindle の位置No.3447-3448). . Kindle 版. より引用
ネズミのヒゲ実験
「米デューク大学のクルパ博士らの研究」として紹介されているのが「ネズミのヒゲ実験」です。
ネズミのヒゲにモノが触れたときの大脳皮質(=知覚、随意運動、思考、推理、記憶など、脳の高次機能を司る)の反応を記録したのが下の図。左右の違いは次のとおり。
- 左:実験者がネズミのヒゲにモノを触れさせた
- 右:ネズミが自らヒゲを動かしてモノに触れた
左右の状況の違いを言い換えると・・・
- 左:受動的に教えられる状況
- 右:積極的に学びにいく状況
「同じモノに触れて、同じ感覚刺激が脳に伝わっている」のに、自分で身体を動かして触りにいった場合の方が脳が10倍ほど強く反応するということです。
これはなかなか含蓄のある結果です!