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寺山修司の監督デビュー作品「書を捨てよ町へ出よう」は覚悟して観ろ

「アングラ四天王」の寺山修司が初めて監督した映画作品『書を捨てよ町へ出よう』を学生時代に観に行きました。映画のタイトルはカッコいいフレーズ。しかし内容は前衛的な実験映画であり、予備知識なく鑑賞しようとするとショックを受けます。(文中敬称略)

特に”前衛映画”が好きというわけではない

前回の記事 故佐藤重臣「アングラ映画のジューシン」黙壺子フィルム・アーカイブ をご覧になった方は思うかも知れません。

 

「奥野ってアングラ映画が好きなのか?」

 

いえいえ、私はアングラ映画や前衛的な作品を好んでは観ていません。ヽ(´o`;

アングラ映画の殿堂「黙壺子(もっこす)フィルム・アーカイブ」へ映画を見に行ったのも一度きりです。

 

予備知識ゼロで寺山修司の映画を観に行った

黙壺子(もっこす)以外の場所で観たことがある”前衛映画”は一つだけあります。

寺山修司が監督した作品『書を捨てよ町へ出よう』でした。

 

 

大学の競技ダンス部の同期に年齢が一つ上の女子がいました。普段から彼女は、年下の私を弟のように取り扱っていました。

ある日のこと、大学キャンパスで鉢合わせした彼女が突然「奥野くん、映画を観に行くよ!」と。私はそのまま池袋の名画座へ連れて行かれます。

映画館の、全く知らないタイトルの看板に気がついた私は、チケット窓口の前で彼女へ尋ねました。

 

「何の映画?」

「ん? 寺山修司!」

 

私は「寺山修司」という名前は何となく聞いたことがあったような気がする程度。

全く予備知識がないままに映画館へ入ったのでした。

 

寺山修司は「アングラ四天王」の一人

1960年代から1970年代にかけて活発に活動していた「アングラ劇団」。アングラ(=アンダーグラウンド)とは、大衆的ではない前衛的な文化のことです。

中でも人気のあったのが「アングラ四天王」で、寺山修司もその一人でした。

アングラ四天王は次の4人。

  • 寺山修司・・・「天井桟敷」
  • 唐十郎   ・・・「状況劇場」
  • 鈴木忠志・・・「早稲田小劇場」
  • 佐藤信   ・・・「黒テント」
 

映画『書を捨てよ町へ出よう』実験的な前衛作品

私たちが観た映画は『書を捨てよ町へ出よう』でした。寺山修司の1971年映画監督デビュー作品です。

 

 

「書を捨てよ町へ出よう」ってカッコいい感じがするけど・・・

「書を捨てよ町へ出よう」は、ちょっとカッコいいフレーズとして耳にすることもあるかもしれません。

しかし、その映画は凄まじく前衛的でとんでもない内容です。

内容(「キネマ旬報社」データベースより)

寺山修司が、鬱屈した青春を実験精神溢れる構成で描いた長編デビュー作。祖母は万引きの常習犯で父は無職、ウサギに異様なほどの愛情を示す妹と暮らす“私”。行き場のない情熱を持て余す私が奇妙な人々と出会い幻想と回想の入り混じった街を放浪する。

Amazon.co.jp 商品の説明 より引用

私は全く理解ができませんでした。

内容も他人に説明できるほど記憶に残っていません。

その意味や意図が分かるシーンが何一つなかったのです。

 

せめて予備知識があれば冷静に観察できたかも・・・

せめて寺山修司が「アングラ四天王」だという予備知識があれば、そういう観点から作品を観察できたでしょう。

しかし、もう只々「なんだこの映画はー???」で終わってしまったのです。

 

この映画に関心のある方は、YouTubeに 「書を捨てよ町へ出よう」予告編  があります。【※注意】エロ描写あり

この予告編だけでも、支離滅裂な感じはある程度つかめましょう。

 

今なら改めて観てみようかとも・・・ちょっと思う

唖然とするばかりだった映画『書を捨てよ町へ出よう』も、ある程度は前衛的なアートも楽しめるようになった今であれば、また違った印象になるかもしれません。

Blu-ray ソフトを買ってみようかとも思う一方で、下のツイートにもコメントされているとおり、この映画は「映画館で観ることそのものに意味がある」と、私も思うのです。

理由はネタバレするので書きませんが。。

 

 

教訓!!

前衛的な映画を観る前にはせめて監督のプロフィール程度は確認すべし!

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