三井住友銀行の略称はSMBC(Sumitomo Mitsui Banking Corporation)です。
しかし「三井住友信託銀行」と「SMBC信託銀行」は別々の会社であり、かつ異なる企業グループに属しています。
なぜ? どうして!? (゜o゜)
この2つの信託銀行を識別するには、金融グループ再編の歴史を知る必要があります。(文中敬称略)
三井住友信託銀行とSMBC信託銀行は違うもの?
飛行機の機内誌をパラパラと眺めていたところ、ある広告が目に入りました。
『SMBC信託銀行 プレスティア』という広告
私がいるOWNDAYSではグローバルでSMBC(三井住友フィナンシャルグループ)とお取引をしていますので、当然ながら「SMBCグループの信託銀行なのだな」ということは分かります。
しかし一方で「三井住友信託銀行」という銀行の存在も知っています。
SMBC信託銀行 VS 三井住友信託銀行
今まであまり意識をしてきませんでした。しかし改めて社名を並べてみると、あまりにも紛らわしすぎます(笑)
2つの大きな金融グループを理解していないと、この2つの銀行の違いを理解するのは困難ではないでしょうか…
三井住友フィナンシャルグループと三井住友トラストホールディングスを区別する
SMBC信託銀行と三井住友信託銀行は、それぞれ別の金融グループに属しています。
細かいことは無視して極力簡単に図表で説明します。
信託銀行 | SMBC信託銀行 | 三井住友信託銀行 |
グループの 中核会社 | 三井住友フィナンシャルグループ | 三井住友トラストホールディングス |
グループの 前身銀行 | 三井銀行 太陽神戸銀行 住友銀行 太平洋銀行 | 住友信託銀行 三井信託銀行 中央信託銀行 |
2つの金融グループ(中核会社)の変遷図
三井住友フィナンシャルグループ(SMBC)
全国銀行協会『平成元年以降の提携・合併リスト』より引用
三井住友トラストホールディングス(SMTH)
全国銀行協会『平成元年以降の提携・合併リスト』より引用
シティバンク銀行の分解が状況を複雑化
三井住友フィナンシャルグループ(SMBC)と三井住友トラストホールディングス(SMTH)の区別を複雑にしている一つの要因は、シティバンク銀行の業務を分割して2つのグループに営業譲渡したことによります。
アメリカのシティグループの日本法人である「シティバンク銀行」が個人金融ビジネスから撤退するにあたり、「リテール(個人向け)銀行業務」と「クレジットカード(ダイナースクラブ)業務」を分割して売却したのです。
- リテール(個人向け)銀行業務 ➡ 三井住友フィナンシャルグループ(SMBC)
- クレジットカード(ダイナースクラブ)業務 ➡ 三井住友トラストホールディングス(SMTH)
そもそもクレジットカード事業については、個人銀行取引の一環としてサービスを連携していたにもかかわらず、バラバラに別々のグループへ売却されてしまったわけです。
(注)実際の金融業界の業務分野は複雑で、再編の動きも入り組んでいます。予備知識のない方を対象に、混乱するような話は端折って説明しています。
もっとお客さま目線が必要では?
広くユーザーの目に触れる(銀行の)名称を「自分たち都合」で紛らわしいものにしてしまう残念な状況・・・
私は過去にも 三菱UFJ銀行「顧客は置き去りかいな?の新名称」嘲笑を買う自己都合 でぼやきました。