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不正防止は会社経営側の責任「経理の横領」手口と発見の事例から学ぶ

財務経理責任者が金融機関出身だからと信用して任せっきりにしない。銀行員時代に担当していた中小企業の経理部長が1億円の横領をしていました。金融機関出身だからと社長が全面的に任せていた結果です。この事件から不正を抑止する基本的なポイントをピックアップします。(文中敬称略)

中小企業の実例・・・経理部長の横領

私が銀行員時代に担当した中小企業「A社」で実際に起きた不正事件の概略を書きます。金融機関出身の経理部長が銀行からの借入金を1億円着服していたという事例です。

不正が発覚した経緯

A社は主に電鉄関係の工事を請け負う建設会社でした。ある期の決算書をチェックしていたところ、借入金の残高や支払利息に違和感を覚えました。

明細一式を入手して注意深く見ていくと、添付資料である銀行の残高証明書の借入金の数字が正しくありません。

さらに良く見ると、「0」の数字のフォントが微妙に違っています。「これは改ざんに違いない!」

早速、A社の社長に連絡をして事実確認を依頼しました。

するとA社の経理部長が会社の資金を横領し、残高証明書を改ざんして虚偽の決算書を作成していたことが発覚しました。

横領した金額は累計1億円。全て愛人に貢いでいたとのことです。

横領の手口

A社の社長は財務経理関係にほぼノータッチで、信用金庫の出身である経理部のB部長へ一任していました。

B部長が会社のお金を懐に入れる手口は単純です。会社の銀行口座から自分の銀行口座へ振り替えて、その記録の一切を自分以外には見せずに改ざんして辻褄を合わせていたのです。

確かに振り返ってみれば、思い当たる節があります。

例えば、銀行の融資手続きが終了して「通帳をお返しに伺います」と電話すると、必ず「いや、銀行に寄るついでがあるから自分がもらいに行くよ」と銀行へ取りに来ていました。

自分が会社にいないときに銀行員が来社して、通帳を他のスタッフに渡すことを警戒していたのでしょう。

社長の反省の弁

横領の金額が大きく手口が悪質のため、A社の社長はB部長を刑事告訴しました。

「金融機関出身だから完全に信用して任せっきりにしていました・・・」とA社の社長は自分の不注意を反省していましたが、ほとんど回収できる目処もなく、バカ高い授業料となってしまいました。

金融機関の出身者だからと安心しない

そもそも「金融機関出身だから信用できる。不正はしない」というのは何ら根拠のない、危険な思い込みです。

一般の人よりは「札束を見ても動揺しない」という性質はあるかもしれませんが、それと不正をしないというのは全く別の問題です。

銀行で身近にあった不正の事例

銀行に限らず大手企業ではマスコミコントロールが相当に利いています。ニュースになる銀行員の不正事件は氷山の一角です。

実際、私の身の回りで実際に起きた不正事件をピックアップしてみても数件あります。

  • 副支店長が取引先の預金を2億円横領して競馬につぎ込んでいました(当時は、本人が突然退職となり理由は明かされませんでした。後日、本部で過去の事件も閲覧できる部署にいた知人から真相を聞きました)
  • 同じ銀行で課長をしていた親戚から「部下が1千万円横領したのが発覚して本人を支店に軟禁している」とリアルな報告を聞きました。
  • 私がいた支店(東京)の男性行員が突然失踪。その日の夕方に「北海道で身柄を確保※」され、そのまま退職となりました。※銀行のATMで現金を下ろせば瞬時に居場所が判明します。

いずれも全くニュースになっていません。

防止策と経営者が留意すべきこと

不正を完全に防ぐことは難しいと思います。しかし抑制するために、簡単に不正ができない仕組みを作るのは大切です。

財務経理に関心を持つこと

「任せる」ことと「無関心」は違います。苦手分野であっても避けてはいけません。

明るくなければ、逆に納得いくまで質問しましょう。その関心の強さが牽制にもなります。

借入手続には「社長の同席が必要」な仕組みを作る

大きな金額が動くのはやはり「借入金」が大きいです。「簿外債務」にする等、ごまかしやすい科目でもあります。

  • 銀行の融資関係に使う「融資取引印」は社長預りにする
  • 社長が個人の連帯保証を入れている場合は「包括根保証※」でなく「一件保証」とする。(※包括根保証にすると都度の借入手続きに保証人=社長のサインが不要となるため、上記A社のような不正ができてしまう)
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