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お札の数え方(2つの方法と持ち方のコツ)レジでも使える!

札勘定、略して「札勘(さつかん)」は、紙幣を扱う銀行で長年培ってきたノウハウであり「手でお札を数える方法」としては最も正確で間違いが起こりにくい方法に昇華しています。

実務では2種類(タテとヨコ)の数え方を併用することが推奨されています。また持ち方のコツは中指と薬指でしっかりと挟む(保持する)ことです。

練習用の模擬紙幣はネットで入手でき、YouTubeに懇切丁寧なレクチャー用動画もあるので、独学で習得できる環境は整っています。(文中敬称略)

札勘の基本とポイント

札勘(=手でお札を数える)の基本は縦横ともに1回ずつ計2回以上行うことです。各々の数え方のポイントも説明します。

基本は「縦」と「横」両方ともに行う

銀行の札勘の基本は縦方向と横方向に1回ずつ数えます。(「タテ勘・ヨコ勘」という呼び方が一般的だと思います)

  • 縦方向・・・縦勘定(タテ勘・タテ読み)→多くの人が普通に行う方法に近い
  • 横方向・・・横勘定(ヨコ勘・ヨコ読み)→扇形に広げて数える

プロの札勘(模擬紙幣と紙帯でのセットまで) 基本編

タテとヨコ、異なる目的

タテ勘とヨコ勘では目的が異なります。

  • タテ勘では券種の違いが容易に発見できます。
  • ヨコ勘ではお札の重なりを容易に発見できます。

タテ・ヨコに慣れると、5~10枚程度のお札でも両方で数えないと落ち着きません。

また、窓口で現金を受け取る相手方に「ちゃんと数えてるぜー」というプレッシャーを与えるのにも(特に海外などは)有効だと思います。

お金以外にも、ヨコ勘を習得すれば、例えばコピー用紙をさばくときにも役に立ちます。

札勘定の練習

とても丁寧な解説の動画があります。新人時代にこんなのがあったら、どれだけ楽だったか・・・と思わずにはいられません。

縦に数える(タテ勘・タテ読み)

私は(元銀行員の習性なのか)レジ係がまとまった束の紙幣を数えるとき、その人の”持つ側の指”にどうしても目が行ってしまいます。

どうも不安定な持ち方をしている人が多いです。正しい持ち方(支え方)は、曲げた中指と薬指で挟む方法です。

下の動画の 0:58 あたりに挟み方が出てきます

【元銀行員が教える!】レジでのお札の数え方(タテ読み)札勘練習

日本銀行式の持ち方は普通の銀行と違う!?

ちなみに日本銀行のYouTube動画『おうちで、さつかん!』では、タテ読みの持ち方を「人差し指と中指で挟む」(1:20〜)としています。

実際にお客様の面前で数える(一般的な)銀行と特殊銀行との差でしょうか…?

おうちで、さつかん / 日本銀行動画チャンネル

横に数える(ヨコ勘・ヨコ読み)

ヨコ勘定、これを覚えると数え間違いが劇的に減ると思います。タテ勘で見逃しがちな重なりや折れが容易に発見できます。新札なんかには特に有効。

【札勘プロの技! 】レジでのお札の数え方(横読み)札勘練習

札勘練習用の模擬紙幣も売っている

札勘を自宅等で練習するための模造紙幣をネットショップで入手可能です。

札勘練習用の模擬紙幣は種類も色々!

お札を数えるのに便利なグッズ

札勘(特にタテ勘)をする際の大敵は「指の乾燥」です。ピタッと揃った新札を数えるときとか、指先が湿っていないと紙幣をずらすのに一苦労します。

乾燥した指先を湿らすために使うグッズとして、海綿(カイメン)やメクール(紙めくりクリーム)をよく使っていました。

海綿(カイメン)・・・コスパ良し

水をときどき補充しながら使う海綿(カイメン)は(コスパが良いためか)銀行では最もよく使われていました。

使いたいときに海綿が乾いてカラカラになっていると水を補充しに走らなければならない・・・という弱点はあります。

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メクール・・・携帯に便利な”紙めくりクリーム”

「メクール」は指先につけるクリーム。コラーゲン入りやアロエ入りのメクール もあります。

メクリッコ・・・指サック

紙めくりを長時間にわたって続ける方には、指にはめる(指サック)「メクリッコ」というグッズが便利でしょう。

銀行員の札勘の学び方、お札カウンター(紙幣カウンター)は使わない前提

銀行員は最初の研修から札勘をみっちり鍛えられます。

窓口係でない限りはマネーカウンターは使いません。自分の手さばきだけが頼りとなります。

 

新入行員研修で反復練習、技能試験

銀行に入ると、最初の研修から、練習用の模擬紙幣を配布され、反復練習をさせられます。

決められた技能試験をクリアするのが当面の目標です。

技能試験は、300枚+α のお札 の束に対し、各々の束100枚を確認(タテ・ヨコ札勘)し、帯封をして止め印を押すまでの作業を行い、3分で3束作成するというものです。

当時は上手な人からコツを聞いて、後はひたすら自分で工夫するしかありません。上記のような便利な動画があったら上達も早いだろうなと思います。

マネーカウンターなんか無い!帯封のない札束を数える際には必須の技術

銀行の店内には紙幣や効果を自動で数える機械があります。

しかし外訪先や応接室で現金をお預かりする場合にはマネーカウンター(お札カウンター)を持ち歩くわけにはいけません。

札束は全て手で数えることがルールとされていました。「現金その場限り」まあいいやは絶対に許されません。

不動産の売買や返済等で数千万円の現金を取次する場合には、応接室であれば、店内の行員にヘルプを頼んで数名ががりで黙々と札束を数えることもあります。

なお、銀行では使用していなかったものの、持ち運びが可能なマネーカウンターは存在しています。

札勘を省略することが可能な例外

例外として札勘を行って数えることを省略できる札束の状態がありました。

  • 1千万円(100万円×10束)の束で日銀で帯封されているもの
  • 1億円(上記1,000万円×10束)がビニールパッキングされているもの

日銀の帯封は、一般の銀行が使っている帯封とは色もデザインも異なるため見ればすぐ分かります。

1億円パックは、よくドラマ等で出てくる「現金輸送用のジュラルミンケース」にちょうどスポッと収まるぐらいの大きさになります。(「現送箱」と呼びます)↓

現金1億円パックを運んだ実例

あるとき、大口預金先のお客様から「現金1億円持ってきて」と連絡が入り、2人で搬送したことがあります。(これくらいの規模の現金支払は事前に連絡しておかないと銀行は対応できません)

本部から取り寄せた「1億円パック」をジュラルミンケースに入れて運びます。

ケースから出した現金パックをお客様に渡したところ、その方は何と「あー、ありがとう」と言って、机の脇に1億円パックを放り投げたのです!!

床に転がっている1億円に目をやりながら、私は思わず尋ねてしましました。

「ちなみに、これ(1億円)どうされるのですか (゜o゜;?」

「これ? ああ、これは・・・俺のポケットマネー」

と言って、いたずらっぽく笑うお客様の顔が印象的でした。

練習継続は必要、長期間やらずにいるとスピードが落ちる

融資業務に携わっている銀行員は、昔のテラー係(窓口担当)のように、毎日朝から夕方までひっきりなしに札勘を行っているわけではありません。

その程度のレベルだった場合、長期間にわたり札勘から遠ざかっていると、精度とスピードが落ちてきます。

現役の銀行員でさえ、スピードが落ちていく

例えば、私がまだ現役の銀行員であった頃の話。

親戚の葬式では香典を数えるのが私の仕事になっていました。

最初は祖母の葬式、5年後に祖父の葬式が行われました。2度の葬式の間の5年間に、私は管理職となったため現金を取次する機会が大幅に減っていました。

すると私の札勘のスピードが落ちているのが傍目にも分かったようで、「よっちゃん、腕が落ちたね(笑)」と叔父にからかわれました ヽ(´o`;

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