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銀行の接待「麻雀デビューと素人テニス」会食やゴルフだけじゃないよ

銀行には当然ながら「接待」がありました。ポピュラーなのは会食にゴルフ。麻雀もあり、私の場合は麻雀の実戦デビューが接待の場だったという、笑えない事態でした。変わり種としては「テニス接待」に参加する必要が生じ、テニス未経験だった私には試練が・・・(文中敬称略)

恐怖の接待麻雀デビュー

私が学生の頃の大学生の麻雀は、往年と比較すればかなり下火になっていました。とは言うものの「全くやったことがない」という学生もそれなりに珍しかったかもしれません。

しかし社会人となり銀行に入ると「麻雀」の話題がかなり身近なものとなりました。

飲みの後や店内旅行等で泊まったりするときには必ず麻雀をやる一団が存在しました。

「奥野、麻雀やらないの?」と誘われても「ルールを知りません」と答えるしかなかったのが、少なからず悔しく思うこともありました。

麻雀の教えはニャロメ先生!?

そこで一念発起し、真剣に麻雀を習得しようと行動に移しました。

ルール等の学習は赤塚不二夫著『ニャロメのおもしろ麻雀入門』でした。

Amazonのカスタマーレビューで「まさに時代を超えたバイブル。」と2018年1月に絶賛のコメントをする人がいるほど、わかりやすい名著だと思います。

ニャロメのおもしろ麻雀入門

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麻雀の練習はファミコンのみ

練習はファミコン相手でした。父親がどこかから貰ってきた中古のファミコン機。

当時の私は、50万円のローンを組んで買ったMacintosh のLC と、ボーナス全額突っ込んで買ったPowerBook(定価75万円) で、HyperCard を使ってお遊びプログラミングをするのに夢中(若い人にはちんぷんかんぷんでしょう)。

普通のゲームはMacでゴルフゲームをやるくらいでした。

家の隅でホコリをかぶっていたファミコン機を引っ張り出して、買った唯一のファミコンソフトである「麻雀」をセット。

夜な夜な麻雀の習得に励んだのでした。

いきなり実戦、お相手は三大女傑のツワモノ

そうこうしているうちに、いきなり実戦の場に放り込まれました。

それも仕向(=こちらからお誘いする)接待。こちらは課長と私、お取引先が2名の計4名で麻雀です。

お相手は、当時所属していた営業店のお取引先の中でも特に個性が強い「三大女傑」と呼ばれていたうちのお一人でした。

その女性(会社の専務なので「専務さん」とお呼びします)は、財布にいつも札束(ぱっと見、2~3百万円)をぎゅうぎゅう押し込みながら持ち歩くような豪快な人で、歯に衣を着せない発言をズバズバ行い、一部の行員には恐れられていました。

「麻雀を生身の人間とプレーするのはこれが初めてなんです」

私がそう挨拶すると、専務さんはさすがに驚いた顔をしていました。しかしプレーに入ると容赦なし。

私は点数計算なんかパッとデキませんから、もう言われるがままに点棒をとられ続け・・・専務さんは最後には上機嫌でお帰りになりました。

まあ、仕向接待としては最高の出来ですが。さすがに課長はボコボコにされた私を慰めてくれました。

 

テニス接待?何じゃそりゃ・・・

麻雀接待でボコボコにされてから十数年の後、私は銀行の赤坂支店の課長に赴任しました。

そこで数百年の歴史を誇る和菓子の老舗A社の担当となった私を待っていたのは「テニス接待」でした。

最重要お取引先だから失礼はできない

A社の社長は大学体育会のテニス部出身で、社会人になってからもテニスを続けるとともに、車いすテニスの普及活動にも力を注ぐ等、大のテニス好きで知られていました。

そのため年に一度、A社と銀行が親善テニス試合を行うことが恒例となっていたのです。

私はそれまでテニスをしたことがありませんでした。学校の授業でやったこともない。

しかし担当課長として「やったことがないから、できません。出場できません」は通用しません。

さらに試合はダブルスです。組む相手にも迷惑をかけられないし、私一人のプレーがお粗末だと残りの3人が嫌な思いをするわけです。

ピンチでした。テニスの試合まであと4ヶ月・・・

テニスを初心者から必死で練習した結果・・・

もう選択肢はありません。基礎から練習するしかありません。

偶然にも、別のお取引先が私の自宅の近くにテニススクールをオープンさせました。私はオープンと同時にスクールへ通い始めました。基本は週2回。

幸いにもオープンしたばかりのスクールだったため、本来はグループレッスンのはずの初心者クラスが私一人だけ。そのためほとんどの時間でマンツーマンレッスンを受けることができました。

やはり人間は明確な目標があれば、サボりませんね。

必死でレッスンに通い、家では素振りにフットワークの反復。レッスン書なども読み漁りルールや用語を頭に叩き込み、来る日に備えたのでした。

明治神宮外苑テニスクラブ

はたして、親善試合の当日。会場は「明治神宮外苑テニスクラブ」です。

余談ですが、神宮テニスクラブは「ウェア規則」があるのです。白以外はNGです。ウィンブルドンみたいです。

神宮テニスクラブ ウェア規則上下衣・ソックス・ウォームアップパンツは『白』のテニスウエアを着用してください

シャツは色物・大きい柄物(プリント柄・模様柄等)、Tシャツ、男性は袖のないシャツは禁止です。

シューズは『白』のテニスシューズをご使用ください

※お守りいただけない場合、プレーをお断りいたします。ご注意ください。

明治神宮外苑テニスクラブ ウェブサイト より引用

▼明治神宮外苑テニスクラブ | ウェア規則
明治神宮外苑|ウエア規則
ウエア規則。明治神宮外苑は明治神宮の外苑として大正15年に創建され聖徳記念絵画館を中心に神宮球場をはじめ各種スポーツ施設と四季折々の自然を満喫することができる。特にいちょう並木はよく知られている。

結果は、内容はよく覚えていませんが、負けました。

しかし勝敗などはどうでもよく、試合の流れを止めることなく進めることができたので満足です。

ちなみにファーストサーブなら上から打ってみるくらいのレベルには達していました。

試合後の懇親会で私は挨拶しました。

「全くの初心者でしたが、おかげさまでテニスの楽しさを知ることができて良かったです。ありがとうございます」

それを聞いたA社の社長が嬉しそうにされていたのが印象的で、必死の努力が報われた瞬間でした。

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