東京ビッグサイト(国際展示場)会議棟の不思議な建物がどのように造られたのか不思議に思っていました。調べてみると、今では一般的に行われている「リフトアップ工法」のはしりだったことを知りました。(文中敬称略)
東京ビッグサイト会議棟はどうやって建造したのか!?
東京ビッグサイト(東京国際展示場)会議棟の特徴的な(4つのピラミッドを逆さに立てたような)建物がどうやって造られたのか、私はずっと不思議に思っていました。
すると、昨日の記事 東京ビッグサイト(東京国際展示場)の会議棟はラピュタの空中都市? で紹介した元都庁職員の方の『東京ビッグサイト誕生秘話』の「建つ前から、新工法のデモ会場」に建設の様子が紹介されていたのです。
当時はまだ珍しかった「リフトアップ工法」を駆使して建造されたのです。
リフトアップ工法
リフトアップ工法は、屋根などの構造物を地上で組立てた後、所定の位置にジャッキで引き上げる工法です。
竹中工務店ウェブサイトより引用
実際のリフトアップ工法の動画(オリンピックアクアティクスセンター)
2019年現在では、もはやリフトアップ工法は珍しい方法ではなくなっています。2018年に実際に巨大な屋根がリフトアップされる様子を撮影した動画を東京都のYouTubeチャンネルで見ることができます。
地上で屋根を組み立てる
[Tokyo 2020 Games] Olympic Aquatics Centre Time-Lapse Movie(オリンピックアクアティクスセンター)
屋根をリフトアップする
[Tokyo 2020 Games] Olympic Aquatics Centre Time-Lapse Movie (Roof Lifted-up)[オリンピックアクアティクスセンター]
リフトアップを別の角度から
>[Tokyo 2020 Games] Olympic Aquatics Centre Time-Lapse Movie (The 3rd Roof Lifted-up) [アクアティクスセンター]
実際のリフトアップのスピードは遅い!?
上記のリフトアップされていく動画はかなり早回しになっています。雲の流れを見るとよくわかります。建造物がせり上がっていく速度は「毎分十数分」程度のノロノロなのです。
前述の「建つ前から、新工法のデモ会場」に東京ビッグサイト会議棟の「リフトアップ式典」での面白いエピソードが紹介されていました。
「それでは知事、スイッチをどうぞ」と司会のお姉さんが宣言する。知事がボタンを押す。楽隊が音楽を鳴らす。
『東京ビッグサイト誕生秘話』建つ前から、新工法のデモ会場より引用
・・・・しかし、会議棟はいっこうに上がっていかなかった。実は、リフトアップのスピードは毎分15cmくらい。だから、動いている様子はよくよく見ないとわからないのだ。