人間ドックのオプションでHIV検査が受けられます。無料化の動きはあるものの現在は有料。だけど微々たるもの。「ちょっと心配だから献血して調べてもらおう」なんて絶対ダメ。そんな奴はぶん殴りたくなります。責任ある献血を!!(文中敬称略)
人間ドックの受診と同時にHIV検査を受けてみた
2019年に入ってから、久しぶりに人間ドックを受けました。申し込み時にオプション検査項目を見ていたところ、ある文字に目が留まりました。
”HIV検査 1,800円”
「あれ? 前はオプションにこんなの無かったよな?」と思って調べてみたら、やはり健康診断等でHIV検査を行うようになったのは、ここ数年間での動きだったようです。
2018年度から健康診断で無料HIV検査「試行」!?
2017年10月29日付けの日本経済新聞に関連する記事が出ていました。
「厚生労働省は2018年度※から、健康診断の受診時に無料でエイズウイルス(HIV)検査を受けられるモデル事業を始める」という内容です。(※2018年4月~)
狙いは「検査を受けやすくし、早期発見や発症防止を通じて感染拡大の防止に取り組む」というものです。
18年度から東京や大阪などの都市部で、病院などに併設される「健診センター」にHIV検査を委託。診断のメニューに関係なく誰でも無料でHIV感染の有無を調べる血液検査を受けられるようにする。
健康診断でHIV検査 厚労省が来年度から試行 https://t.co/W9VFlVImTn
— 日本経済新聞 電子版 (@nikkei) October 29, 2017
健康診断での無料HIV検査は「試行」に過ぎなかった
2017年10月の記事では「無料」でHIV検査が受けられるようにする・・・と書いてあります。しかし、2019年に私が目にした人間ドックのオプション表では「有料」となっています。
実は、新聞記事のタイトルには「試行」と書いてあります。どうやら試行開始の翌年になっても本格運用はされていないようです。
実際、政府広報オンラインの「ストップエイズ!」情報サイトの2018年12月の記事では「保健所は無料、医療機関は原則無料」と書いてあります。
HIV検査は、全国各地にある保健所など(匿名・無料)や、病院・クリニックなどの医療機関(原則有料)で受けられます。
HIV検査施設については、下記のホームページから検索できます。
政府広報オンライン より引用
人間ドックのオプション”HIV検査”の結果はどう通知される?
検査施設に行けば無料かつ匿名でHIV検査を受けられます。
しかし、私は深刻な感染の疑いがあるわけでもないし「ついでなら受けても良いかな?」ということで有料オプションを選びました。
検査は採取した血液で行うので、人間ドックの通常の検査以上に余計な手間もかかりません。
その他の検診結果と別に「親展報告書」が届く
恐らく多くの人にとって、HIV検査の結果がどのように通知されるのか・・・が心配の1つでしょう。
ご安心下さい。
通常の人間ドックの検診結果の入った角2(A4)封筒に、「親展報告書」が同封されて送付されてきます。
さすがに、第三者が「親展報告書」を誤ってビリビリ開封することはないでしょう。
▼HIV検査の親展報告書
現在はHIV陽性でも治療薬でエイズ発症を抑えられる
検査結果は「陰性」でした。問題ありません。
たとえ「陽性」でも、現在の医療ではコントロール可能な病気になっています。
昔の「とにかく怖い」イメージが強い方は、最近のHIV・エイズ事情を調べてみた方が良いです。
今のところ、体の中にあるHIVを完全に取り除くことはできません。ただし、医療の進歩によって様々な治療薬が開発されたおかげで、体内にいるHIVの増殖をおさえ、免疫力を維持することが可能になっています。
万一、HIVに感染、またはエイズを発症しても、薬を飲み続けるなど適切な治療を継続することによって、普通の生活を送ることができますし、子どもを安全に出産することも可能です。
なお、エイズ発症後での治療は、発症前と比べて難しくなるため、より高い治療効果を得るためには、HIV感染を早期に発見し、早期治療につなげることが大変重要です。
政府広報オンライン より引用
▶ストップエイズ! 今は「不治の特別な病」ではなく、コントロール可能な病気です。まずは早めに「HIV検査」を _ 暮らしに役立つ情報 _ 政府広報オンライン
責任ある献血 | エイズ検査(HIV検査)目的の献血はダメ
ところで、以前は「エイズ検査目的のために献血を行う人がいて困る」という話を見聞きしたことがあります。
最近はどうなんだろうと「日本赤十字社」のウェブサイトを見てみたら、やはり「お願い」がありました。
「責任ある献血」という呼びかけをしています。
「エイズ検査目的での献血」は、善意で成り立つ献血の信頼性を脅かすもので、あってはならない行為です。輸血を受ける患者さんをはじめ、そのご家族や多くの方々に深い悲しみと深刻な状況をもたらす可能性があるのです。
献血は、患者さんのいのちを守るボランティアであるとともに、患者さんの健康に直結することを皆さまにご理解いただき、引き続き「責任ある献血(※)」にご協力くださいますようお願い申しあげます。
(※)「責任ある献血」とは、以下を守っていただくことです。
①エイズなどの検査を目的に献血を絶対にしないこと
②問診に正しく答えて献血していただくこと日本赤十字社ウェブサイト より引用
献血が原因ではないものの、1980年代後半に起きた「血液製剤フィブリノゲン薬害肝炎問題」によって、手術を受けた私の肉親がC型肝炎に感染。
たいへん長い期間(現在も)闘病生活を続けています。
だから他人事ではありません。
「責任ある献血」お願いします。