オンデーズの店舗が出店しているショッピングモールにはいくつか「DBJ Green Building 認証」で星を取得している物件があります。このグリーンビルディングという認証制度の意味するところが気になったので調べてまとめてみました。
「DBJ Green Building 認証」って何?
2013年6月にオープンした「MARK IS みなとみらい」は DBJ Green Building 認証(環境・社会への配慮がなされた不動産を評価する認証制度)で「5つ星」取得しています。
グリーンビルディングの認証の評価基準
認証の評価はソフト面とマネージメント面を含めた5つの視点からの総合評価となります。
Ecology | 建物の環境性能 | 省エネルギー・再生エネルギーの利用 |
Risk Management | リスクマネジメント | 環境リスク対応・防犯対策・防災対策 |
Partnership | ステークホルダーとの協働 | オーナー・テナント間の連携・IRを通じた取組 |
Community | 周辺環境・コミュニティへの配慮 | 景観、生物多様性、地域との関わり |
Amenity/Diversity | テナント利用者の快適性・多様性 | 設備・スペック、テナント利用可能施設 |
日本政策投資銀行ウェブサイト より引用
マークイズみなとみらいの特徴
評価ポイント
BEMS※を活用し、周辺エリア一帯での効率的なエネルギー管理に取り組みながら、屋上庭園やコミュニティサイクルの運営支援も行う等、地域社会への貢献を意識した物件運営を実施している点
DBJ Green Building 認証実績 より引用
※BEMC=ビルエネルギー消費量の削減を図るためのシステム
さすが5つ星だけあって、他のショッピングモールとは一風変わった雰囲気を感じます。
周辺や店内には緑が多く、屋上庭園は「みんなの庭」とネーミングされています。この緑の中から周辺の高層ビルを眺めてリラックスする感じは良さげです。ランドマークタワーもすぐ近くに見えます。
店内のいたるところに落ち着いた休憩スペースがあります。チェアやテーブルも場所によってバリエーション豊富です。
最上階には動物とふれあえるパーク「オーヴィ横浜」があります。カピパラさんと触れ合うこともできる!
5つ星認証の商業施設
認証は4部門あります・・・オフィスビル・ロジスティクス(物流)・商業施設・レジデンス(住居)
商業施設部門の「5つ星」は2018年3月末時点で14施設が認証を受けています。
DBJ Green Building 認証 【商業版】
★★★★★
(2018年3月末時点)
物件名称 | 認証先 | 延床面積(㎡) | 竣工時期 |
サンシャインシティ(商業機能) | (株)サンシャインシティ | 585,872.00 | 1978年4月 |
mozo ワンダーシティ | 日本リテールファンド投資法人 | 233,606.00 | 2008年8月 |
阪急西宮ガーデンズ | 阪急電鉄(株)/阪急リート投資法人 | 233,472.92 | 2008年10月 |
あまがさきキューズモール | 東急不動産(株) | 164,227.00 | 2009年10月 |
三井ショッピングパークららぽーと立川立飛 | (株)立飛ホールディングス | 154,000.00 | 2015年11月 |
ららぽーと柏の葉 | 三井不動産(株) | 144,517.00 | 2006年11月 |
イオンモール伊丹昆陽 | イオンリート投資法人 | 138,927.49 | 2011年2月 |
三井ショッピングパーク ららぽーと新三郷 | フロンティア不動産投資法人 | 136,161.36 | 2009年8月 |
MARK IS みなとみらい | 三菱地所(株) | 116,000.00 | 2013年6月 |
ららぽーとTOKYO-BAY | 三井不動産(株) | 102,000.00 | 1981年4月 |
スマーク伊勢崎 | 東京建物(株) | 52,800.00 | 2010年11月 |
コクーンシティ コクーン2 | 片倉工業(株) | 33,310.80 | 2015年4月 |
ららテラス武蔵小杉 | 三井不動産(株) | 13,922.00 | 2014年3月 |
VIORO | フロンティア不動産投資法人 | 10,830.09 | 2006年8月 |
DBJ=日本政策投資銀行
「DBJ」と聞いても、金融業界とか一部の人しかピンと来ないと思います。日本政策投資銀行(Development Bank of Japan)の英表記の略記です。
会社組織を再編成するときの複雑な経緯は無視して、やさしく簡単に説明します。
もともとは「日本開発銀行」と呼ばれていた特殊な銀行。更にさかのぼると、前身は1947年(昭和22年)に設立された「復興金融開発公庫」です。文字どおり(第二次世界大戦の)戦後の日本の復興のための投融資(=投資と融資)を行っていました。
1951年(昭和26年)に日本開発銀行となってからも、経済・産業の発展の基盤となる(電源の開発、石炭、鉄鋼、海運などの)重要産業の合理化、近代化ならびに育成のための投融資を中心に行ってきたのです。大型プロジェクトへの投融資が中心のため超大企業や団体との取引のみ。預金機能もなく、一般的な銀行とは全く異なるため馴染みが薄いのです。
「政府系金融機関」の変遷は下の図が詳しく分かります。
▶政府系金融機関の組織変遷
(出典:財務省ウェブサイト)
Green Building認証の目的・理念
日本政策投資銀行(DBJ)資料の説明が分かりやすいのでそのまま記します。
・DBJは「事業者」と「投資家・金融機関」の対話・協調を進めていき、これまで評価できなかった不動産の持つ、環境・社会的側面について、不動産価値への反映を目指します。
・また同時に、金融機関・投資家に対して、不動産投融資への示唆・マーケットへの浸透を通じて、社会・経済に求められる不動産としての”Green Building”が市場に蓄積され、評価される不動産金融市場の整備・育成に貢献していきたいと考えています。
日本政策投資銀行ウェブサイト より引用
「グリーンビルディング」という概念はもともと米国で発達したもので、DBJも2010年11月のレポートでその日本市場での発達可能性を示唆していました。そして翌2011年4月にこのDBJ Green Building認証制度を創設したのです。
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ちなみに日本では、2013年2月に一般社団法人グリーンビルディングジャパン(GBJ)という別団体が設立されています。
私たち一般社団法人グリーンビルディングジャパン(GBJ)は、世界標準の環境評価ツールの一つであるLEEDの普及を通じて、日本にグローバルなグリーンビルディングの取り組みを根付かせることを目的に2013年2月に設立いたしました。GBJはLEEDの運営母体であるUSGBCと連携して活動する団体です。
オンデーズの店舗は地下4階から2階へ移転しました!2018年5月21日