ゴルフコンペ好き銀行員「恒例行事の馬券表」は違法行為と知ってたか

投稿日:2018年2月 26日(月) 更新日:

ゴルフ場の芝生の上にティーアップされたゴルフボール

photoAC

何かとゴルフ好きな銀行員。ほぼ全ての営業店で定例的に行われていたゴルフコンペでは、「馬券」と呼ばれる賭けが恒例行事となっていました。店内スタッフ全員から掛け金を募り、現金で配当するこの行為は明らかに賭博罪。実際に一般企業では書類送検された事例もありました。

ゴルフは必修科目。投資は株式かゴルフ会員権か。

銀行の営業店では年に2回『店内ゴルフコンペ』が行われます。新入行員には「参加か不参加か?」といった選択肢はありません。

私も初年度には、ゴルフコンペの1週間前に慌ててゴルフセットを購入。そして1度だけ打ちっ放し練習してコースデビューしました。

とにかく定期的にコンペがあるので嫌でも練習せざるを得ない環境です。ド下手のまま改善の兆しがないと渋滞を引き起こすので「何とかせねば」という気持ちになります。

 

ゴルフ天国の地方支店では「早朝ゴルフ」も

「ゴルフ天国」とも言える新潟にいた時は、よく支店長に連れられて「早朝ゴルフ」へ行きました。

日の出とともにスタートしてノンストップで18ホール回ります。キャディもいません。回り終えてシャワーも浴びずに帰宅すると、まだ午前中の早い頃なので、土日もかなり有効に使えます。安いし、あれは良い仕組みです。

 

高騰してバブルが弾けたゴルフ会員権

 

上のサイト(椿ゴルフ)の下段に「ゴルフ会員権の過去30年の相場推移」のグラフがあります。バブル絶頂期に向けて上昇を続けて崩壊するパターンはほとんど平均株価や不動産価格の動きと同じです。

日経平均株価とゴルフ会員権価格の最高値は次のタイミングでした。

  • 日経平均株価 最高値  1989年12月
  • ゴルフ会員権* 最高値 1990年 2月  (*指定150銘柄の平均)
 

ゴルフ会員権の斡旋をする銀行員

ゴルフ会員権は値を下げたばかりでなく、破綻するゴルフ場も続出。単純な投資目的で会員権を購入した人たちの多くは、相当な深刻なダメージを受けました。

それでも本当にゴルフが好きな人にとっては、安くなったゴルフ会員権は狙い所。バブルが弾けた後も某支店では、お取引先にゴルフ会員権の斡旋みたいなことをしていた副支店長がいました。

お取引先から次のような苦情を言われたこともあります。

「おたくの副支店長、会社に来てもゴルフ会員権の話しかしないから、何とかしてよ・・」

 

ゴルフコンペ毎に行われる危ない「馬券」イベント

年2回の店内ゴルフコンペでは、”全店行事”として『馬券』というイベントが開かれました。コンペを競馬、プレーヤーを馬に見立てて、1位・2位を予想するゲームです。

 

ゴルフコンペ「賭博」を盛り上げるために趣向を凝らす幹事

どう盛り上げるかは幹事の腕の見せ所です。単勝式では単純だからと連勝複式にしてみたり、各自のプロフィールとオッズで競馬新聞風のペーパーを作って配ったり・・・

掛け金は高いときには一口●●●●円。大穴当てて数万円稼ぐ人もいました。

 

ゴルフコンペの「馬券」は賭博罪。どの営業店でも行われていた

当時は誰も声を上げませんでした。しかしこれは『賭博』です。アウトです。賭博罪は50万円以下の罰金又は科料に処せられる罪です(刑法185条)。

賭博罪の公訴時効は3年なので、ぶちまけます。どの支店へ異動しても必ず「馬券」イベントが行われていました。

「おカネ」に関しては尋常じゃないほど厳しい銀行が、なぜかこの「馬券」だけは黙認していました。

振り返ると奇妙に思いますが、「そういう時代だから」で通ってしまうほど「コンプライアンス」に対する意識が変化したなと実感します。

 

ゴルフコンペのべ県で書類送検された事例もある

2006年、この馬券イベントによる賭博容疑によってNECの社員61人が書類送検されました。

この頃のネットの書き込みは「どこでもやっているのに可哀想」という同情が多く、程度の差はあるにせよ、似たようなイベントは各所で行われていたことを物語っています。

NEC(東京都港区)文教ソリューション事業部内のゴルフコンペで現金を賭けていたとされる問題で、警視庁保安課は7日、賭博容疑で同事業部の部長(54)ら社員43人と関連会社数社の社員18人の計61人を書類送検した。

ゴルフコンペは部内の親睦(しんぼく)を深めるレクリエーションとして数年前から、「事業部長杯」などの冠を付けて年数回、開催。

プレーヤーを数組に分け、優勝、準優勝の組を予想する「馬券」を1口200円で売り、賭けゴルフを行っていた。

コンペに参加しない社員や関連会社の社員にも社内メールなどで申し込みを呼びかけていた。

事業部長は「軽い気持ちで遊び感覚だった。今になって大変なことをやってしまった」と話しているという。

調べでは、事業部長らは昨年10、11、12月、茨城県内などのゴルフ場で開催された3回のゴルフコンペで、延べ約40人のプレーヤーを1~4人1組に分け、優勝、準優勝の組を予想する「馬券」(1口200円)を計537口(計10万7400円)申し込ませ、現金を賭けていた疑い。

的中者には2000~3000円の配当金が渡されていた。

NECは「真摯(しんし)に反省しするとともに社員のモラルの向上に努めていきたい」と話している。

産経新聞 2006年11月7日 より引用

コンプライアンスが厳しく言われるようになった今ではもう、さすがに馬券イベントはやっていないはずです。

そのような環境で社内ゴルフコンペをどうやって盛り上げているのかは興味があります。

 

接待ゴルフは死なず?

ゴルフと聞けば「接待」というイメージも強いです。確かにバブル時から崩壊後に至るまで、支店長は月に数回(平日含む)は接待ゴルフに出かけていました。

日本の金融危機が本格化した二十世紀の終盤以降には、さすがに自粛されて回数も減りました

しかし、昨年(2017年)にトランプ大統領と安倍首相がゴルフ外交を見せたように、重要な場面でのゴルフ接待が生き続けるのは間違いありません。

ちなみに、ゴルフ場にヘリコプターで登場するのは大統領だけではありません。あの偉大な経営者の方もヘリで飛び回っていたのは有名ですね。

銀行の頭取との接待ゴルフにもヘリで登場したという話を聞いたことがあります。

ヘリコプター(アメリカ合衆国大統領専用機と同じものとされる)に搭乗し、神奈川県の自宅から原宿神宮前のコクド本社への“通勤”や、プリンスホテルなど運営施設への移動あるいは施設上空から偵察している姿は、テレビなどでもよく放映された。

・・・中略・・・

ホテル経営に関しては完全なるトップダウン方式で、ホテル内部の設計などにまで細かく指示を出した。

鉄道事業においても運転士・車掌・駅員の規律を細かく規定し、昨今の鉄道事業者ではあまり見られない、運転士が制帽の顎紐を着用することの義務などがあり、バス事業では全てのバスの屋根に番号を記して上空からヘリコプターでちゃんと経路通りに運行しているかを自ら監視するなどした。

堤義明 ー Wikipedia より引用

もう、スケールが違います・・・

 
 

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