定義や呼び方がバラバラ「銀行のハンコ」手続きの印鑑に注意

投稿日:2018年3月 27日(火) 更新日:

実印とケース

photoAC

銀行員が使う用語の定義は曖昧なのでキチンと確認するべし。銀行員が使う言葉、特にハンコに関する用語は、金融機関やその担当者によって意味がまちまちです。書類の差替えや押印し直しなど二度手間になって、混乱するケースが少なくありません。

銀行員がミスリードする実例

オンデーズの台湾法人に対し非居住者貸出を行っている金融機関があります。その貸出に対しては、オンデーズ日本法人が連帯保証人となっています。その更新手続きを行うのに押印が必要な書類が私のところに回付されてきました。

 

保証書の押印欄に鉛筆で『お届け印(取引印)』と補記してあります。私は押印書類を回してきた担当者に尋ねました。

 

「ここに押すのは実印だよね?」

「いえ、銀行の担当者は『預金印』と言っていました」

「本当に? それはおかしいよ。前にも言ったけど、取引印という用語は銀行によって意味が違うから、ちゃんと確認した?」

「はい。私もおかしいと思って『本当に預金印で大丈夫なのか?』と何回も確認しました」

 

担当者はそう言い切りますが、元銀行員の私はどうにも腑に落ちません。

 

「向こう(銀行の担当者)は、取引印=預金印だと、勝手に思い込んでいるんじゃない?」

「その可能性もありますね。改めて確認してみます」

「それでも先方が『預金印』と言うのなら『実印を押したらダメなのか?』と聞いて。連帯保証なんて重要な契約書に預金印なんか押したくない」

 

そして、担当者は銀行に改めて電話をかけました。私は傍で聞き耳を立てていました。

 

「・・・では、やっぱり預金印なのですね?・・・」

 

私はすかさず、担当者を突っつきました。

 

「『うちの融資取引印は預金印とは違うが、それでも預金印で大丈夫なのか?』って聞いて!!」

 

すると、しばらく時間が経ってから、「やっぱり預金印ではなく押印すべきは実印でした」と回答がありました。結局は銀行の担当者の思い込みによる間違いだったわけです。

 

ハンコには正しい呼び方がある

次の3つの用語の違いが分かりますか?

  • 印鑑
  • 印章
  • 印影

(多くは円筒状の)ハンコそのモノの名前は、正しくは「印章」と言います。印章を使って押した印影が「印鑑」です。実際には、印章を印鑑と呼ぶ、間違った使い方が一般的になっていますので、ここでは便宜的に「印鑑」という呼び方で統一して使っていきます。

 

銀行によってまちまちな印鑑の呼び方

銀行で使用される印鑑にはいくつか種類があります。

A:預金取引しかない場合
  • A-1 預金印
B:融資取引もある場合
  • B-1 預金印
  • B-2 実印
  • B-3 取引印

預金取引しかないAの取引先は特に問題となることはありません。

融資取引があるBの取引先は、お互いにどういう意図でその用語を使っているのか、注意を払う必要があります。見た目は同じ用語でも、金融機関によって意味や使い方が違っていたり、または会話相手の担当者の思い込みで間違った解釈をされることがあります。

上記の箇条書きでは、一般的(と思われる)用語を使いましたが、「他にもこのような呼び方をされる可能性があり紛らわしい」用語を(    )内に並べてみます。

B:融資取引もある場合

  • B-1 預金印(届出印、使用印、取引印)
  • B-2 実印(届出印、融資印、融資届出印、融資取引印)
  • B-3 取引印(届出印、融資印、融資使用印、融資届出印、融資取引印)

いかがでしょう? 正確に相手方が意図する印鑑を特定するためには、きちんと確認をしないと齟齬(そご)が生じるのです。

 

メガバンクは数度の合併を経て、銀行による用語の定義の違いを痛感しているので、比較的わかりやすく区別をしていると思います。

3行統合で誕生した「みずほ」では『統一用語集』という分厚いマニュアルを作っていました。

そういう経験のない銀行の担当者と会話をする時には、特に気をつけましょう。

 

各印鑑の性格の違い

融資取引がある場合のB-2の実印とは、印鑑証明書(その印鑑が公的に登録されていることを証明するもの)の添付が必須であり、同じものが複数存在する、いわゆる三文判は不可です。

上記の種類のうち、曲者(くせもの)は、B-3の「取引印」です。しばしば事務ミスの種となり、書類に押印し直す必要が生じたりします。理解するポイントは、

  • 「銀行取引約定書(=融資取引を行う際の基本契約書)」には実印の押印が必須
  • ほとんどの会社が、実印と別に「預金用の印鑑」を作って使用している
  • 都度の融資取引についても、実印とは別に「融資取引用の印鑑」を作って使っている会社がある

「融資取引用の印鑑」を作って使っている会社の印鑑の使い分けは、

  • B-1 預金印→預金取引のみ
  • B-2 実印→ 「銀行取引約定書」の他、登記書類等の実印必須の書類
  • B-3 取引印→融資取引全般(契約証書や手形への押印等も)

となります。B-1預金印とB-3取引印を同じ印鑑としている場合もあります。

混乱を避けるためには、『預金専用印』とか『融資専用の取引印』みたいな言い方で詳しく表現すると良いです。

 

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